東洋医学の専門獣医師による 鍼灸・漢方治療を行なっています

【東洋治療の効果ついて】
東洋医学に基づく鍼灸や漢方治療は、動物が持つ本来の治癒力を活性化させることにより身体のバランスをとる治療方法ですので、基本的には緊急疾患や不適切疾患を除くほとんどの病気に対応することができます。

当院では、西洋医学(投薬・手術)での治療単独では病状があまり良くならない子に対して、病状を改善させる目的で東洋医学(鍼灸・漢方)を用いた治療を追加して使用しております。

また、西洋医学では治療方法が無い子や、西洋医学での治療を望まない子などに対しても東洋医学を用いた治療を行っています。


【鍼や灸を用いた治療について】
当院では、可能な限り患者動物に対して負担をかけないように、できるだけ少ない刺激での施術をこころがけおります。

当院で使用するはりには、刺すはりと刺さないはりがあります。刺すはりは、毛ほどの細さのものを使用し、できるだけ少ない本数で低刺激になるように施術し、患者動物に負担がかからぬようにこころがけます。

また、特に痛みに敏感になっている場合や、幼弱または高齢動物、病気で非常に状態が悪くなって過度な刺激が危険な場合には、刺さないはりを用いたり、はり先を皮膚に接触させたりするだけの方法を利用いたします。

お灸は通常毛の上からシート貼り、その上にモグサを載せて行いますので、皮膚に直接接して火傷することや毛が燃えてしまうようなことはありません。直接からだに触れない棒灸等を用いたりもします。

動物の体の大きさ、皮膚から毛の高さ、症状に応じて大きさや熱さを調整して患者動物が心地よく温まり、リラックスできるようなお灸を心がけます。
 

【診断方法について】
東洋医学の診断方法として、注意深く視て(望診)、声や臭いを確認し(聞診)、病状や病歴や飼育環境を確認し(問診)、体に触れて確認する診察(切診)をていねいに行います。

これらの結果を総合的に判断し(四診合算)、単なる病気の状態だけでなく、その患者動物の全身の状態を確認し、その背景にある病気の原因や回復を阻害している要因などを見つけ、すべてを統合して治療方法を決定していきます。

また、西洋医療の診療で行われている検査(血液検査や画像検査)の情報は、診断・治療方法を決定するうえで非常に有益な情報になります。 当院での結果以外に他院で受けた検査結果等がありましたら、可能な限りご提供いただければ、より良い治療へと活かすことができます。


【治療時間について】

初診の場合
東洋医学では、病気は直接的な原因だけでなく、その患者動物の種類や年齢、食餌、生活環境などのさまざまな要因が関って起こると考えられています。そのため、病気の成り立ちを理解するには多岐にわたる項目を確認する必要があります。したがって、当院では初診時の問診に多くの時間(約1時間)を使います。 また、患者動物の直接の診察は体表観察が主たる方法となります。「体内の病的変化は、すべてが体表に反応としてあらわれる」という東洋医学的な認識のもと、望診・聞診・切診による体表観察をしっかりと行い状態を把握します。初診での体表観察では、普段の状態との違いなどを確認させていただきながら行うので、少し時間を要する場合があります。

再診の場合
初診で基本的な治療方針は決まっていますので、初診以降の診療時間は、患者動物の状態にもよりますが、最大で30分くらいになります。


【飼い主様と一緒に治療していく】
当院では、飼い主様と一緒になって病気を治療してくことを大切に考えています。

病院での治療の際には飼い主様に一緒に手伝っていただけると動物も安心しますし、飼い主様にどんな治療をしているのかをしっかりと確認していただくこともできます。

また、病院での治療の後、自宅でも治療を行っていただくことでより治療効果を増大させることが期待できます。

患者動物にとっても飼い主様及びそのご家族全員にとっても無理のない効果的な方法を一緒に考えたいと思います。 「家族」が心地良い時間を過ごしていただくのをお手伝いすることが当院の目的です。