診療科目・予防・健康診断

動物行動科

問題行動の原因究明が大切です

動物行動科では犬や猫が引き起こす問題行動の治療を行っています。問題行動には、本能から来る行動を十分に満たす理解や環境がないために生じてしまうもの、疾患や精神的障害が原因で生じてしまうもの、これら大きく2種類が存在します。
当院では問題行動を引き起こす原因を究明する為に、往診による生活環境の観察や問題行動発生時の状態確認を基本として行い、飼い主様と十分に話し合い、人と動物の双方が満足できる環境改善策をご提案させていただきます。また、必要に応じて投薬治療を並行して行います。
問題行動が長引くことで、飼い主様とペットとの関係が破綻し飼育放棄に繋がる場合もあります。問題行動は、早期に行動学的治療を行うことで改善する場合が多いので、気になることがありましたら是非ご相談ください。


主な問題行動


【過剰吠え】
犬の正常な行為である“吠え”が過剰に発生することで人間の生活環境に悪影響が発生している状態です。行動学的な過剰吠えではなく、実は認知症による“吠え”の場合もありますので、過剰吠えを引き起こす原因を究明することがとても大切です。

生活環境に問題がある場合はそれを改善することですぐに過剰吠えが治まる場合がありますが、学習してしまった吠えの場合は改善までに時間がかかる場合が多いです。


【攻撃行動】
犬や猫が飼い主に対して行き過ぎた攻撃行動を行っている状態です。行動学的な問題ではなくホルモンや関節疾患による問題の場合も多く、総合的な判断が必要となります。攻撃行動の原因となっている刺激を分析することが治療をするにあったって重要となります。


【分離不安】
飼い主に対する依存が激しく、同時に犬が自立できていない場合に発生する問題行動です。飼い主が不在時に精神的に不安定になることで、家具や家財を破損させたり自傷行為を行ったりします。飼い主の不在に慣れさせる治療と同時に精神的な自立をさせる治療を行っていきます。


【猫のスプレー排尿】
猫が排尿時にトイレではなく壁に向かって尿を吹きかける問題行動です。雌に比べて雄での発生頻度が高い疾患です。多頭飼育下でのトイレ環境への不満がある場合や、テリトリーを主張したい場合に行うことが多く、生活環境の改善で問題行動が治まる場合が多いです。